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フェーズドアレイ

フェーズドアレイの発生と評価

ビーム走査とダイナミックフォーカスのところで述べたように、個々の振動子の振動する順序とディレイを設定することにより、任意のビームを発生させることが可能です。

しかしながらその場合受信信号はどうなるのでしょうか。どのようにして1個の超音波信号として評価すればよいのでしょうか。下図は単純な走査のビームの励振の同じようなパターンです。
ただし個々のフェーズドアレイ振動子から同じ相関距離で発生しているシュミレーションによる信号が含まれています。

エコー信号によるタイムディレイ制御
発信波とその後のエコー
(時間経過に沿って表示)

注)上図のように単純時間軸上ではすべての信号が整合されておらず、これでは評価は困難である。

この問題はふたつの位相により解決することができます。
はじめに、エコーデータを各振動子から受信しデジタル化して、位相・オフセットが取り除かれるようにすべてのエコーデータを変換するとエコーはそれぞれ標準時間軸上での相関関係が現れます。

発信波とその後のエコー
(位相補正つき)

次に、各振動子から検出される信号が増幅されて信号の相関寸法の幅が画像で得られるようになります。
そして、整合されたすべてのエコー高さをデジタル加算します。
これが一般的な単一振動子の探触子と同じように受信され、信号として評価用探傷器に送られ、通常の測定と同様に評価できます。

補正された信号のAスコープの表示